私も考えるTCGが取り巻く環境

Twitterを見ていて刺激的な記事を紹介したリツイートが飛んできので、その記事に触発されて、私も「その記事に対しての意見」と「環境について考えてみよう」と思います。
先に本家記事(ランタンさん「ぐっ!」ブログ)を読んだ方が良いと思います→私の考えるTCGが取り巻く環境

この記事内では「今回は私の考えで書いています。それは違うだろ!って意見もあるかと思いますがあくまで私の考えなのでご了承ください。」注意書きがされているので、「その記事に対しての意見」自体がナンセンスなのですが、私も私の意見を言いたいので、書いてみようかなと思います。

この記事の構成


・ランタンさんの記事に対する意見
・私なりのTCGが取り巻く環境
・私なりの回答

ランタンさんの記事に対して

記事内で問題としている「小学生のTCGユーザーが減少」に関しては、色々と見て来たので、ずっしりと責任を感じています。
しかし、その原因の一つとして掲げている「TCGをする大人が増えた。」に関しては、少し疑問を感じます。
先に、その理由を述べてしまうと、ランタンさんが掲げている解決策である「父親にターゲットを絞る」も、同時に「大人がTCGをやっている状況」だからです。

記事内では、TCGと似た状況として「ミニ四駆」の問題を挙げていますが、その理由は「父親がミニ四駆」をやってしまったと記しています。
私が、子供の頃にミニ四駆で問題になったのが、父親がマシーンを制作し、大会で子供がそれを使用する事でした。
そりゃ、糞高い補助パーツに、専門知識が必要で面倒なマシーンセッテイングと、子供だけでは難しい玩具です。
つまり、何が言いたいかと言うと「父親をターゲットに絞る」と言う事は、同時に「子供の代わりに、財力のある父親が主導権を握ってしまう」のです。

TCGでも「年齢による部門分け」のされたゲームが幾つかあります。(ガッシュ、DM、バトスピ等)
理由は「子供対子供」「大人対大人」にする事と、「子供の遊び」を残すための処置だと思います。
しかし、父親がゲームをやっていれば「子供に勝たせたい」と、どう見ても子供が考えつかない様なデッキを渡す事もあるでしょう。
結局、「年齢による部門分け」をしても、似たようなデッキが大会の全部門制覇をしてしまうなんて事もあるかもしれません。
結局、「父親にTCGを勧める」と言う事は、ミニ四駆のオヤジマシーンと変わらないのかなと思います。

次に
・スターターデッキ購入前提の存在
で言われてる「寄せ集めのデッキ」に対する「デジタルモンスターカードゲーム」についても、やっていたプレイヤーとしては、少し疑問です。
確かに「寄せ集めデッキ」と言う物がありましたが、「デジタルモンスターカードゲーム」で「寄せ集め」でゲームが出来たかと言うと、私は「無理じゃないかな」と思います。
発売当時、近所のデパートで、バンダイから派遣された(?)お兄さんが「デジタルモンスターカードゲーム」の体験会を玩具売場でやっていました。
そこでは、同時期に始めたプレイヤーやらのコミュニティが出来上がり、対戦が盛り上がっていました。
貸出用デッキに飽きると、「スターターデッキ」の購入になるのですが、これが1個では「レアがピン」で入って進化が難しかったり(ジョグレス進化パーツが無かったり、勝率○○%が少なかったり)、特定のソートで封入されていて(ランダム3種だったかな)、デッキを作るのに苦労しました。
デパートに行って「○○無い?」、学校に行って「○○持ってる?」と聞いて回り、結局、スターターデッキを複数個購入し、ガチャガチャを何度も回して、コモン究極体「ボルトモン」を使ったデッキに至りました。

それでやっと、しっかり「進化する事の出来る」デッキが完成しました。
このゲーム戦闘自体は「A・B・C」判定ですが、進化する為の道筋は特定のカードが必要になります。
ジョグレス進化には「○○デジモンと○○デジモン」が必要になり、融合条件(アーマー進化等)は「○○(アイテム名)+進化前デジモン」が必要になり、勝率○○%は「勝率○○%のカード+進化前デジモン」が必要になります。
寄せ集めになると、ジョグレス進化が難しくなったり、勝率○○%が無かったりと、TCGとして面白味がありません。(そもそも、必要なレベルⅢカードが手にはいらない事も)

ランタンさんの記事で紹介されている「マグナモン」も、ブースターのレアカードです。
このカードに進化する為には「奇跡のデジメンタル」というカードが必要になってきます。
進化させたいなら、両者3枚ずつ投入しなくてはいけません。
そのカードが出た頃の環境はと言うと「究極のコネクション」を使用する事が「当たり前」でした。
(其の頃の大会参加記録→カードゲーマーの懐古録その1(記事では「至高のコネクション」を「至高のプログラム」と勘違いしています)
他にも「必須」パーツが多く、「寄せ集め」で遊ぶには難しいTCGだった印象があります。(カードパワーのインフレも大きかったので、次々にカードを買わないといけません)

このTCG自体が「寄せ集めデッキ」を否定しているのでは無いかなと思います。
ランタンさんの記事で言われている「テーマデッキの存在」の先駆け的存在でもあります。
バンダイ公式のガイド本でも、「最強進化ルート」なるものも紹介されていて、「それで組め」と言われてるかの様です。
後に、特定進化に対するケアカードや、「究極のコネクション」に対する「至高のコネクション」等が、収録される事になりました。
それ程、デッキ構築難易度は高い物でした。
事実、デパート勢はデッキを完成させていましたが、学校勢はデッキを作成した者は少なく、コレクションに終わったり、使えないデジモンを入れて「デッキ制限」だけを守ったデッキを持っていた人しか居ませんでした。

このTCGが売れた理由は、土台として「デジタルモンスターシリーズ」の存在と、アニメ「デジモンアドベンチャー」の存在があると思います。
当時のデジモン人気は凄い物で、アニメ効果なのか「バタフライ」が流れるだけでテンションが上る人が多数。(私は、今でも変わりませんが・・・)
このアニメーションとのタイアップと言うのは大きく、昔参加したブシロードのユーザーカンファレンスでも木谷社長が「自社製のキャラ・宣伝力・アニメーション」は売れる看板だと言ってました。
この看板に乗っかり成功したのが「デジタルモンスターカードゲーム」であり、ルール的な面白さもあり売れたのだと思います。

テーマデッキの存在も、ゲームデザイナー側がゲームバランスを取る為のシステムであったり、ユーザー側がデッキ構築を簡略化する為に作られています。
デッキの自由化と言うのは、一見すると「参加しやすそう」なのですが、比較的自由度の高いMTGを見て貰えば解ると思いますが、根底に「デッキ構築の基礎知識が必要」になり、TCG初心者が「よしやってみよう」とやってみるとゲームになりません。
だから、今のTCGは「クラン」を統一すれば戦えたり、キーとなる高額カードを入手出来れば、そのカードを軸としたデッキを作れる様になっているのだと思います。
これを「自由なデッキ作成を縛る愚策」と考えるか、「新規TCG層にも触れやすい良策」と考えるかは自由ですが、アニメで活躍したクランを使いたいとか、好きなカードで勝ちたいと言うプレイヤーを生む事が出来たのなら成功だと思います。

ここまで「大会レベルの話だろ」と思うでしょうが、話の出発点が「大会に出た子供達」なので、大会に参加する子供を想定した話にしました。


私なりのTCGが取り巻く環境

私も、この問題には責任を感じていて、TCG第一世代(TCG黎明期)のプレイヤーが後続を育てたり宣伝したりしたのに対して、第二世代以降は行動出来て居なかったかなと思います。
メーカー側も黎明期に選択肢の無かったユーザーを知っているので、第2ブーム時には「出せば売れるだろう」的な勢いで、TCGが大量に発売されました。
しかし、第2ブーム時は群雄割拠状態、外見だけでバリューの無いTCGは淘汰されていき、そんな状態にうんざりしたプレイヤーも多かったのかなと思います。
そして、「美少女TCG」が売れ始め、新たなマーケティング要素を見つけたメーカーが飛びつき、完全に「子供」と言う市場を捨てたのかなと思います。
そもそも、TCG販売に対するターゲットとして「子供」が居たのか不明ですが(遊戯王も対象年齢が高かったですし、他TCGも戦略型が多かったと思います)、切り捨ててしまったのだから、しょうがないのかなと思います。

それでも、DM・バトスピ等が子供に受けているのは、「周りでやっている」からだと思います。
これは大人にも言える事なのですが、TCGをやるのは「周りでやっている」からだと思っています。
だから、MTGや遊戯王は廃れないですし、群雄割拠し敗走していくTCGを尻目に生き残っているのだと思います。

完全に子供向けにマーケティングされた商品だった「ベイブレード」や「ハイパーヨーヨー」が流行らなくなったのは、大人が子供に押しつけたからでも、大人が強くなったからでもありません。
「飽きた」からです。
「飽きた」と言うのは、子供達の中で「流行らなくなった」「周りでやらなくなった」からです。
(勿論、其の頃にハマった子供は続けたり、大人になって手を出す人も居ます)

つまり
メーカーが小学生向けに出す →流行らずすたれる

やがて小学生が大人になる →辞める

大人ばかりになる


大手のTCG大会の上位層を見ると「このメンツ10年前も見た」なんて事があるのは、そのせいでだと思います。
で、そこに子供が入ってくる仕組みを作るには、メーカーが既存プレイヤーを捨てて「小学生をターゲット」にするか、既存プレイヤー向けの商品を売り続けるを天秤に掛けなければいけません。

そして、その大人たちですら「自分達のやってるTCG」以外には興味が無く、誘っても「やらない」と言う事が当たり前なんですね。
私も布教活動の様に、デュエルスペースに居るTCGプレイヤーに「○○(TCG名)やりませんか?」と誘ってみた事がありますが、成功した事がありません。罵声も浴びせられた事もあります。
まぁ、当たり前ですね。

話は変わりますが、「モンスターファームバトルカード」というTCGがありました。
これは、クラン制の悪い所を集めたようなゲームで、ゲームシステム自体は成功したものの、売上的には失敗をしました。
失敗の理由は2点。
・1弾以外専用スターターが無く、モンスターと技が揃わずデッキ作りが難しい
・知名度が低い
今でも根強いファンが存在するTCGで、再販を望む声もあります。
実際、モンスターと技が同時に手に入るゲーム(PS・GBC)は評価が高いです。
このTCGは「子供」を対象にした物でしたが、売れなかったのは「宣伝力」「販売方法」だと思っています。

何故、このカードの話をしたかと言うと、子供だけのゲームであっても子供は遊ぶ事が無いのです。
結局、子供の中にあるのは「友達に勝ちたい」と「友達と遊びたい」であり、そのツールがTCGであっただけなのです。
それは、流行りのゲームでも良いですし、話題に入れればいいのです。
だから、先の「デジタルモンスターカードゲーム」も、子供たちの中で流行った訳です。

話が前後しますが、これは大人も変わらないのかなーと思います。
結局、周りでやってないTCGなんてやりたいと思う人は少ないですし、競技人口が多く対戦が見込めるTCGをやるのが自然です。


私なりの回答

手っ取り早く言ってしまうと「昔の子供はTCGをやっていたか?」って事です。
結局、現在「子供がTCGをやってない」と言う意見は、パイの取り合いをした結果、新しい市場を探して「子供」に辿り着いただけに見えます。
「戦略性TCG」はMTGやモンコレ等が鎮座してますし、「美少女TCG」はタイトルの取り合い状態、「ライト層TCG」は群雄割拠の戦場、「子供向けTCG」と言うとバトスピ・DMが居るが、市場として育つ可能性がある。
ただそれだけ。

昔から、子供が大会に居たか?
2000年のカードフェスタの記事を見ても子供なんて居ないし、2003年頃にGWで小学生がツアー予選突破、MTGなんか大人しかプレイヤーが居なかった。
大会デヴューしたのはデパートのデジモンカードゲームの大会小学4年生、それから中学2年になってMTGの大会。
つまり、大会に子供が来ると言う事が「意外」な状況なんですね。

私が子供の頃にTCGと言うと、家かスーパーで遊戯王やらデジモン。(ゲームになってないゲーム)
子供向けのTCGだったが、大会には行くことは少なかったし、ショップも少なかった。
ショップまで行動範囲が広がる頃には、大人の一歩手前。
つまり、ショップ大会に出る頃には、子供じゃ無くなってる訳だ。

今頃になって「子供のTCGプレイヤーが減少している」なんて話になっているが、私としては「昔から子供が大会に多かった記憶が無い」。
問題になっているのは「子供がTCGを買わないから、今後TCG市場が縮小していくだろう」と言う事と、「パイの食い合いが加熱し過ぎて、TCGが売れなくなってる」と言う事だと思うんですよね。

結局、成功してもループにはまってしまうんですよね。
売れるようなTCGを販売する →流行らない

プレイヤーが食いつく →変化が無く廃れる

研究が加熱する

環境を変えるカードを刷る

研究が進む

新規層がついてこれなくなる →廃れる

カードパワーの底上げをして、新規を取り込む

研究が進む

新規層がついて・・・

こうやって行く内に脱落する者、飽きてしまう者、それらにつられて辞めてしまう者。
私が子供の頃にTCGをやっていた仲間たちは、この渦から弾かれてしまいました。
「パイの食い合いが加熱し過ぎて、TCGが売れなくなってる」と言う要因の一つに、このループがあるのでは無いかなと思います。

私が責任を感じているのは、この渦の中で「飽き」と「ハマり」を繰り返して、同じ大人を取り込む事ができなかったからです。
廃れたTCGのプレイヤーを誘って、新しいTCGを始めるとか、そう言うコミュニティ形成をしてこなかった事ですね。
まぁ、その「TCGコミュニティ」を子供の内に作ってしまおうと言うのが「子供にTCGユーザーを増やそう」の考えだと思うんですが、それもコミュニティが無くなってしまえば、TCGに触れなくなってしまう訳です。

私は、寧ろ「もっと大人がTCGをするべき」だと思うんですよね。
その大人が、TCGコミュニティ形成する事で、後続の子供達に教える事も出来ると思うんですよね。
そう言う大人のコミュニティが、私がTCGにはまるきっかけになった、バンダイのお兄さんになれば良いのかなと思います。

結論はランタンさんと同じですね。


追記:Twitter上の反応がまとめられました→http://togetter.com/li/619049
一応、結論は出したのですが、反面「そんなユーザー居るの?」って言う疑問があるんですよね。
自分の記事を読み返していて思い出したのですが、TCG過度期で選択肢の多いプレイヤーが作るコミュニティと言うのは、内輪向けと言うか、外部のプレイヤーを拒絶した様な形になってしまうんですよね。
例えば「友達と楽しみたい」コミュニティなら、他のプレイヤーから声を掛けられる事を嫌いますし、「大会で勝ちたい」コミュニティなら、TCG始めようとする子供と遊ぶ事が無いんですよね。
黎明期ならばTCGそのものがマイナーなので、必死になって「このゲーム面白いよ」と宣伝したり、情報交換用のコミュニティを作ったりしたと思うんですが、これだけTCGが増えてしまうと「プレイヤーはやってくる」と構えてしまう。
又、今のコミュニティの存在さえ保てればいいので(真っ当のコミュニケーションツールとして使い方ですが)、「楽しみたい」「勝ちたい」「友達の輪にいたい」でも、TCGの環境はどうでもいい人が多いのかなーと思います。
少し前に「今のユーザーはゲームを楽しんだり、知りたく無いのかな?」と言う話をした時に、色々な方に言われたのが「TCGはカラオケ・ボーリング的な娯楽」と言う事でした。
最近のTCGとプレイヤーの考察的なもの(この前の記事から)(※tocageアカウント必須)の記事に書いています。
一時的でも仲間と時間を共有出来るツール、或いは話題を引き出すためのツール。
突然、カラオケで隣の部屋に入って「カラオケ楽しいでしょ!!」なんて言う人は居ないですからねー。
そう考えると、この「バンダイのお兄さん」と言うのは難しくて、新規コミュニティの発展と消滅を繰り返しながら、ユーザーが入れ替わっていくのかなと・・・ちょっと悲観的な考えに至ってしました。
「もっと大人がTCGをするべき」と言うのは、そう言うユーザーを牽引していける様な人物が居るのではないかと言う、私の希望なのかもしれません。
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