【MTG】白黒AstralGlide【2003年スタンダード構築】
当時のイギリス選手権7位のデッキ。
何故、このデッキが7位まで快進撃を進めることが出来たのか、当時のメタと合わせ解説してみようと思う。
まずはデッキレシピを見よう
「白黒AstralGlide」
クリーチャー7枚
賛美されし天使 4枚
アンデッドの剣闘士 3枚
その他呪文26枚
《神の怒り》 4枚
霊体の地滑り 4枚
精霊の石塚 2枚
《強迫》 4枚
《燻し》 4枚
汚れた契約 3枚
新たな信仰 4枚
《消えないこだま》 1枚
土地27枚
真鍮の都 3枚
《隔離されたステップ》 4枚
《やせた原野》 4枚
《沼》 7枚
《平地》 9枚
サイド
《消えないこだま》 1枚
精霊の石塚 2枚
破裂の王笏 2枚
《戦慄をなす者ヴィザラ》 2枚
恐ろしい死 4枚
《陰謀団式療法》 4枚
何をするの?
このデッキに必要な行動
1 序盤を耐える
2 クリーチャー除去による盤面コントロール
3 霊体の地滑り
4 フィニッシャー
基本的には、スタンダードな白黒コントロールの様に、序盤は新たな信仰のサイクリングや軽い黒の除去で耐えて、中盤から神の怒り、霊体の地滑りで場をコントロールする。
サイクリングデッキなので、安定感があり、コントロールで土地も多めの27枚なので扱いやすい。
AstralGlideと言うことで、霊体の地滑りからクリーチャーコントロールや変異早出しが可能となっている。
また、フィニッシャーの1つとして、精霊の石塚+アンデッドの剣士のギミックを入れて、盤面のコントロールが完了した後に息切れ無く攻撃出来るようになっている。
なんにせよ、アンデッドの剣士が「捨てる」「引く」「サイクリング」「手札に戻る」と、白と組み合わせると強力で、正に「アンデッドの剣士」デッキとも言える。
それぞれのカードが、あらゆる盤面への解答となっていて、非常に論理的なデッキである。
何故、黒なのか
元々AstralGlideは赤白デッキだったが、この頃は「白赤青」型(或いは白緑型初期)、赤緑白型が世間を賑わしていて、とりあえず霊体の地滑り+賛美されし天使にサイクリングを入れれば、デッキになるので「何をメタ」と見ているかで構成が変わり重要になってくる。
例えば、赤ならばクリーチャー、緑ならばエンチャント、青ならばコントロール、をメタった構築となっている。
特にこの頃は、各種「願い」が存在し、特に青、赤、緑は軽く使いやすかったので、これらを使うならば「願い」も考慮に入れるのが普通だった。
さて、そうなると黒の投入により何をメタったのか、恐らくこの頃に存在した「青緑」系のデッキ群(スレッショルド、QuietRoar、8man等のクリーチャー以外のカードが多い青緑)と、青黒コン、エンチャントに触れられない黒コン、そして、WAKEである。
元々、クリーチャーデッキにはある程度の耐性があり、インスタント呪文に弱かったので、それを補う形のスライドデッキになっている。
逆に、苦手になってしまったのが、黒緑セメタリーや同系デッキ、特に当時存在した緑赤白の大型デッキはエンチャント破壊と除去耐性があったので、厄介なデッキとなっている。
まぁ、当時、海外ではWAKEが最強と言われていたことや、環境上青が強かったので、「青に強いスライド」を作ったら黒になったと言う事だろう。
弱点
上記で言ったデッキに弱い理由は
1 クリーチャーに除去耐性がある
2 エンチャント対策がサイドにある
3 稲妻の裂け目
1と2は勿論の事だが、3に関しては2ターン目に出てしまってはメインは愚かサイドでも割れず、1ターン目に強迫から落としてしまうか、相手の手札を空にするしか無い、その為にサイドには破裂の王笏が入っているのだろうと思う。
毎ターン2点クロックが始まると抜けにくく、稲妻の裂け目が入ってると言うことはサイクリングデッキなので、「不毛化」や「アクローマの祝福」なんかがあると、土地が攻められサイクリングによるユーティリティ性が失われたり、除去が当たらず、クロックが進んでしまう。
また、黒を入れたことでサイクリングカードの枚数が減ってしまっていて、純粋な赤白と比べると安定度が下がり、汚れた契約で補っているのも弱点と言えば弱点である・・ココらへんは、論理的に広い範囲に効くデッキを作った弊害とも言える。
勿論、土地破壊には耐性が無いが、この頃は青が強く絶対数が少なかったので問題ないだろう。
サイド
消えないこだま・・・スライド対策、スライドは手札から打たれる呪文には対策が無い事と、サイクリングにより墓地を肥やすので、クリーチャーで殴るより安全なフィニッシャーとして扱うことが出来る。
精霊の石塚・・・黒コン対策、黒コンはエンチャントに触れられないので、一度アンデッドの剣闘士とのサイクルが始まると、止めることが困難になり、相手の除去カードもこちらはトークンなのでアド損となる。
破裂の王笏・・・スライド、青コン対策、環境に優秀なアーティファクトが少なかったので、メインサイド含めて割られる可能性が少なかったので、安定して起動出来た。着地してしまえば、相手の手札を空にするまで使用出来る。
戦慄をなす者ヴィザラ・・・ステロイド、ビースト、黒コン対策、生き残りさえすれば盤面を永続的にコントロール出来るので、ヴィザラを除去出来るカード持っていなければ、こちらが優位になって行く。特に、この頃流行っていた3色ビーストや、ステロイドはこのカード除去するのに一苦労するだろう。黒コンはヴィザラ自身が黒なので除去されにくい。
恐ろしい死・・・ウィニー、青緑系、追加のクリーチャー除去になるので、神の怒りへの繋ぎへのカードとして投入したんじゃないかなと思います。パニッシャー・ホワイトの亜流デッキがあったと思うので、それにたいしてのメタカードだと思う。
陰謀団式療法・・・WAKE、青系デッキ対策。アンデッドの剣闘士と相性がいい事、打ち消し呪文に対して強いので投入されているのだろうと思う。裏表2回ヒットすれば、ほぼ勝ち。
最後に
対応力が高く、非常に強いデッキなのだが、スカージ発売後にWAKEの最盛期を迎える前兆が見えて、クリーチャーデッキにも除去耐性のある物が生き残った為(ゴブリン招集や黒緑セメタリー、ゾンビ招集)に除去が美味しくなくなり、8版発売後はメタった青メインのデッキがトーナメントシーンから消えてしまった事により、このデッキも消滅。
しかし、その後の発展か解らないが、スカージ発売で白命令、黒命令が入ったことで、黒白命令と言う、このデッキに似た構造のデッキが現れる。
他にも、8版で青が弱くなった事で、大振りな白黒コンが出てきたりと、このデッキのキーカード「アンデッドの剣闘士」を活かしたデッキは存在する。
また、このデッキの様な論理的な思考によって作られたデッキ特有の弱点として、そのメタカードを引かないと危うかったり、相手の抱えている爆弾に火を付けられたら負けてしまう。
現にこの大会で、このデッキはメタ外の青黒パーミッションに負けている。
このデッキがメタとした、サイカトグ等のクリーチャーが居る青黒コンではなく、フィニッシャーを土地にしたメタ外のデッキに対しては、攻め手を完全に封殺するという事が出来ずに、狡猾な願いを許してしまうのだ。
しかし、このデッキの着眼点や、ほぼどのデッキに対しても不利では無い事は、色々なデッキが存在する予選等では非常に役に立ち、弱いデッキではなく、後のメタでスライド自体がメタられた事も使用されなくなった原因だろうと考える。
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何故、このデッキが7位まで快進撃を進めることが出来たのか、当時のメタと合わせ解説してみようと思う。
まずはデッキレシピを見よう
「白黒AstralGlide」
クリーチャー7枚
賛美されし天使 4枚
アンデッドの剣闘士 3枚
その他呪文26枚
《神の怒り》 4枚
霊体の地滑り 4枚
精霊の石塚 2枚
《強迫》 4枚
《燻し》 4枚
汚れた契約 3枚
新たな信仰 4枚
《消えないこだま》 1枚
土地27枚
真鍮の都 3枚
《隔離されたステップ》 4枚
《やせた原野》 4枚
《沼》 7枚
《平地》 9枚
サイド
《消えないこだま》 1枚
精霊の石塚 2枚
破裂の王笏 2枚
《戦慄をなす者ヴィザラ》 2枚
恐ろしい死 4枚
《陰謀団式療法》 4枚
何をするの?
このデッキに必要な行動
1 序盤を耐える
2 クリーチャー除去による盤面コントロール
3 霊体の地滑り
4 フィニッシャー
基本的には、スタンダードな白黒コントロールの様に、序盤は新たな信仰のサイクリングや軽い黒の除去で耐えて、中盤から神の怒り、霊体の地滑りで場をコントロールする。
サイクリングデッキなので、安定感があり、コントロールで土地も多めの27枚なので扱いやすい。
AstralGlideと言うことで、霊体の地滑りからクリーチャーコントロールや変異早出しが可能となっている。
また、フィニッシャーの1つとして、精霊の石塚+アンデッドの剣士のギミックを入れて、盤面のコントロールが完了した後に息切れ無く攻撃出来るようになっている。
なんにせよ、アンデッドの剣士が「捨てる」「引く」「サイクリング」「手札に戻る」と、白と組み合わせると強力で、正に「アンデッドの剣士」デッキとも言える。
それぞれのカードが、あらゆる盤面への解答となっていて、非常に論理的なデッキである。
何故、黒なのか
元々AstralGlideは赤白デッキだったが、この頃は「白赤青」型(或いは白緑型初期)、赤緑白型が世間を賑わしていて、とりあえず霊体の地滑り+賛美されし天使にサイクリングを入れれば、デッキになるので「何をメタ」と見ているかで構成が変わり重要になってくる。
例えば、赤ならばクリーチャー、緑ならばエンチャント、青ならばコントロール、をメタった構築となっている。
特にこの頃は、各種「願い」が存在し、特に青、赤、緑は軽く使いやすかったので、これらを使うならば「願い」も考慮に入れるのが普通だった。
さて、そうなると黒の投入により何をメタったのか、恐らくこの頃に存在した「青緑」系のデッキ群(スレッショルド、QuietRoar、8man等のクリーチャー以外のカードが多い青緑)と、青黒コン、エンチャントに触れられない黒コン、そして、WAKEである。
元々、クリーチャーデッキにはある程度の耐性があり、インスタント呪文に弱かったので、それを補う形のスライドデッキになっている。
逆に、苦手になってしまったのが、黒緑セメタリーや同系デッキ、特に当時存在した緑赤白の大型デッキはエンチャント破壊と除去耐性があったので、厄介なデッキとなっている。
まぁ、当時、海外ではWAKEが最強と言われていたことや、環境上青が強かったので、「青に強いスライド」を作ったら黒になったと言う事だろう。
弱点
上記で言ったデッキに弱い理由は
1 クリーチャーに除去耐性がある
2 エンチャント対策がサイドにある
3 稲妻の裂け目
1と2は勿論の事だが、3に関しては2ターン目に出てしまってはメインは愚かサイドでも割れず、1ターン目に強迫から落としてしまうか、相手の手札を空にするしか無い、その為にサイドには破裂の王笏が入っているのだろうと思う。
毎ターン2点クロックが始まると抜けにくく、稲妻の裂け目が入ってると言うことはサイクリングデッキなので、「不毛化」や「アクローマの祝福」なんかがあると、土地が攻められサイクリングによるユーティリティ性が失われたり、除去が当たらず、クロックが進んでしまう。
また、黒を入れたことでサイクリングカードの枚数が減ってしまっていて、純粋な赤白と比べると安定度が下がり、汚れた契約で補っているのも弱点と言えば弱点である・・ココらへんは、論理的に広い範囲に効くデッキを作った弊害とも言える。
勿論、土地破壊には耐性が無いが、この頃は青が強く絶対数が少なかったので問題ないだろう。
サイド
消えないこだま・・・スライド対策、スライドは手札から打たれる呪文には対策が無い事と、サイクリングにより墓地を肥やすので、クリーチャーで殴るより安全なフィニッシャーとして扱うことが出来る。
精霊の石塚・・・黒コン対策、黒コンはエンチャントに触れられないので、一度アンデッドの剣闘士とのサイクルが始まると、止めることが困難になり、相手の除去カードもこちらはトークンなのでアド損となる。
破裂の王笏・・・スライド、青コン対策、環境に優秀なアーティファクトが少なかったので、メインサイド含めて割られる可能性が少なかったので、安定して起動出来た。着地してしまえば、相手の手札を空にするまで使用出来る。
戦慄をなす者ヴィザラ・・・ステロイド、ビースト、黒コン対策、生き残りさえすれば盤面を永続的にコントロール出来るので、ヴィザラを除去出来るカード持っていなければ、こちらが優位になって行く。特に、この頃流行っていた3色ビーストや、ステロイドはこのカード除去するのに一苦労するだろう。黒コンはヴィザラ自身が黒なので除去されにくい。
恐ろしい死・・・ウィニー、青緑系、追加のクリーチャー除去になるので、神の怒りへの繋ぎへのカードとして投入したんじゃないかなと思います。パニッシャー・ホワイトの亜流デッキがあったと思うので、それにたいしてのメタカードだと思う。
陰謀団式療法・・・WAKE、青系デッキ対策。アンデッドの剣闘士と相性がいい事、打ち消し呪文に対して強いので投入されているのだろうと思う。裏表2回ヒットすれば、ほぼ勝ち。
最後に
対応力が高く、非常に強いデッキなのだが、スカージ発売後にWAKEの最盛期を迎える前兆が見えて、クリーチャーデッキにも除去耐性のある物が生き残った為(ゴブリン招集や黒緑セメタリー、ゾンビ招集)に除去が美味しくなくなり、8版発売後はメタった青メインのデッキがトーナメントシーンから消えてしまった事により、このデッキも消滅。
しかし、その後の発展か解らないが、スカージ発売で白命令、黒命令が入ったことで、黒白命令と言う、このデッキに似た構造のデッキが現れる。
他にも、8版で青が弱くなった事で、大振りな白黒コンが出てきたりと、このデッキのキーカード「アンデッドの剣闘士」を活かしたデッキは存在する。
また、このデッキの様な論理的な思考によって作られたデッキ特有の弱点として、そのメタカードを引かないと危うかったり、相手の抱えている爆弾に火を付けられたら負けてしまう。
現にこの大会で、このデッキはメタ外の青黒パーミッションに負けている。
このデッキがメタとした、サイカトグ等のクリーチャーが居る青黒コンではなく、フィニッシャーを土地にしたメタ外のデッキに対しては、攻め手を完全に封殺するという事が出来ずに、狡猾な願いを許してしまうのだ。
しかし、このデッキの着眼点や、ほぼどのデッキに対しても不利では無い事は、色々なデッキが存在する予選等では非常に役に立ち、弱いデッキではなく、後のメタでスライド自体がメタられた事も使用されなくなった原因だろうと考える。
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theme : Magic:The Gathering
genre : ゲーム